SPECIAL
NEW RELEASE

Debut Single

『DreaMars』

2015.12.23 RELEASE
TOPD-174:¥1,200(tax in.)
1.DreaMars
2.ジェリーフィッシュ・イン・ザ・スカイ
3.アレルゲン
4.猫になる夢

『夢』をテーマに集めた4曲の作品集。
夜に見る夢、夢のような現実、無邪気な過去の夢、叶わないとわかっていながらそれでも願う夢。
そんな4つの夢物語をそれぞれ異なるアプローチで紡ぎだした珠玉の4曲。

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TOWER RECORDS ONLINE
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NEW TOPICS

東京工科大学の学生さんとラバラバのコラボ企画第一弾として『柔らかい糸』のミュージックビデオを作ってもらいました!


監督:A8size(東京工科大学)
制作:むー(東京工科大学),こば,石川直明
出演者:LEISA,kum+(Gossip The Gathering),ごっちん,Bouzon Eric(cafe de la poste),ゆうゆう,拓司,かと,ほそいとしお,しべりあん,はかせ,若松一家,マニカフェ一家,北口壘年(劇団おひさま冒険団)

ラバラバBLOG
空間リメイク。
大切なお知らせ
チャペルコンサート前夜
成長と熟成。
DISCOGRAPHY

1st mini Album 『片想いのクオリア』
2013.10.25 RELEASE ¥2,100(tax in.)
 
1.片想いのクオリア
2.シロップ
3.shower
4.ミジンコのしあわせ
5.柔らかい糸
6.鏡面満月
7.光子のベル
8.さくら恋
9.チーズケーキ
10.ささくれ
11.おやすみスイッチ
12.命の楔 全12曲
 
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3rd mini Album 『ボーダーライン』
2012.4.21 RELEASE ¥1,050(tax in.)
 
1. prolog
2. ボーダーライン
3. 私的ラグナロク
4. てんしのうた
5. 流星の針
6. Bonus truck
 
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2nd mini Album 『人魚姫』
2011.2.24 RELEASE ¥1,050(tax in.)
 
1. prelude
2. 人魚姫
3. つめたいヒカリ
4. 焼きマシュマロのうた
5. しんかいぎょ
6. Bonus truck
 
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1st mini Album 『きらきらぼし』
2010.1.12 RELEASE ¥1,050(tax in.)
 
1.きらきらぼし
2.モンスター
3.アシンメトリ
4.ゆき と くろねこ
5.Bonus truck
 
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DreaMars
ジェリーフィッシュ・イン・ザ・スカイ
シロップ
しんかいぎょ
チーズケーキ
つめたいヒカリ
てんしのうた
なくしてしまったことに気付かない
ねがいごと
バイバイ
ボーダーライン
shower
マイメロディ
マテリアル
マルベリー
ミジンコのしあわせ
ミント チョコレート
ゆき と くろねこ
ラブラドール
レジンの涙
わたげ
一緒にごはん
アシンメトリ
雲の底辺
丸山陸橋
君を待つ間
光子のベル
細胞のワルツ
私的ラグナロク
柔らかい糸
小春日和
焼きマシュマロのうた
人魚姫
アレルゲン
世界の穢れ
星になれ
雪虫
千年蛍
猫になる夢
命の楔
夜色コットン
流星の針
モンスター
鏡面満月
おやすみスイッチ
こころ
苦蓬の星降る日の夜に
カッサンドラの憂鬱
きらきらぼし
さくら恋
ささくれ
さみしくなんかないよ
LYRICS
DreaMars


あなたが見てる夢は
どんなものか知りたくなって
大きなファスナー開けて
夢の中に入ってみたい
あなたはいつも何処か
楽しそうに笑ってないけど
ホントの所は何を
考えてるのかって思う

好きだよって言うし
怒ったりしないし
頭も撫でてくれるけど
メールなんか来ないし
さみしそうでもないし
ホントに気持ちはあるのかなぁ

私の夢の中 あなたと2人
手を繋いで笑ってたけど
リアルじゃないよね
そんなことは今までにないから
私だっていつもあなたと居ると
気を遣って喋ってるけど
気付いてないよね
そんな心だけ遠距離恋愛中

突然 魔法をかけて
夢の中に潜り込んだら
あなたは望遠鏡
覗いて私を見ていた

嫌われたくないし
壊したくないし
汚したくないって言うけれど
遠隔操作の
ブリキの体じゃ
私を抱えられないよね

あなたの夢の中 火星の基地で
手を繋いで廻ってるけど
リアルじゃないよね
あなたらしい舞台で笑っちゃうね
私だったらいいよ 壊されたって
あなたが私に触って
それでも怖いなら
そこで待ってて
私が抱きしめてあげる

私とあなたの心の距離は
5000万kmだって言うけど
興味がないよね
たった3分で届く距離でしょ
私だったらいいよ そっちへ行くよ
いつでもファスナーを開けて
隣にいるから
そんなゼロ距離で同じ夢を見よう




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2015.12.23発売のデビューシングル『DreaMars』のタイトル曲。
デビューCDにはポップな曲をと思い、前向きな女の子の曲にした。
タイトルは夢見る人の『dreamer』と火星の『mars』を掛けた造語。
魔法で夢の中に入ろうとする空想家の彼女『dreamer』と
火星人のように何を考えているのか解からない彼氏『mars』を表現している。
ファスナーを開けて夢に入るのは漫画『ときめきトゥナイト』、
ブリキの体はオズの魔法使い、
冒頭の流れ星SEは『クリーミィマミ』、『うる星やつら』など
往年のアニメーションOP作品のオマージュである。
5000万kmというのは火星と地球が再接近した距離約5600万kmを省略したもの。
たった3分で、というのは5000万kmを光速で移動した場合の時間。



ジェリーフィッシュ・イン・ザ・スカイ

海月みたいな曇り空に
月は隠れてしまうの
飛べない私のうしろに
揺蕩う様に

歩き出す速度は次第に
加速して そのうち転ぶの
それでも時間は止まらず
過ぎてゆく

散らばる星屑は
まるでマリンスノー
小さな私は貝になって黙り込む

海月みたいな曇り空に
月は隠れてしまうの
それでも私は生きてく
この場所で

薄い雲の間
蒼いシリウスの
涙の様な光 一筋零れてく

(神様 いつか私を両手ですくってください
 それまでここで 翼を休めて待っているから)

ただ 祈るだけ

海月みたいな曇り空に
月は隠れてしまうの
ぼんやり路上に
私の影が伸びる

海月みたいな曇り空に
みんな沈んでしまうの
それでも私は生きてく




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2015.12.23発売のデビューシングル『DreaMars』の2曲目。
ある夜見上げた夜空の鱗雲が、水面に揺蕩う海月に見えたので書いた曲。
『人魚姫』『しんかいぎょ』などからも感じるが
気がつくと私はいつも水の底にいるような感覚だ。
ちっぽけな自分を俯瞰で見ながらも、否定も肯定もしない。
ありのままで生きていく、というシンプルで当たり前のことを
決意する風でもなく直感で理解している感覚。
『マリンスノー』と『シリウスの』は言うまでもなく韻律合わせ。
Cメロ
『神様 いつか私を両手ですくってください
 それまでここで 翼を休めて待っているから』
これは大好きなデンマークの詩人、Hans Christian Andersenの詩の一節と
彼の敬虔な信仰心からイメージをしたものである。


Loft mig kun bort,Du starke Dod,
Til Aandens store Lande!
Jeg gaaer min Vei,som Gud mig bod,
Fremad,med opreist Pande.
Alt hvad jeg gav,Gud,det var dit,
Min Rigdom ei jeg vidste!
Hvad jeg har ovet,er kun lidt,
Jeg sang som Fugl paa Qviste.

私を高く運んで行け、お前、強い死よ 
魂の大きな国へ。 
私は神が命じた道を進んだ 
額をまっすぐにあげて。 
私が与えたすべては、神よ、あなたのもの 
どれだけ私の富があるのか、私は知りませんでした。 
私が費したものはほんのわずかです。 
私は枝の小鳥のように歌っただけです。 
(訳詞は山室静版)






シロップ


カロリーのないシロップみたい
短い時間 手を繋ぐだけで
癒されてると言われてみても

私はあなたの何かになれるかなぁ

結末のない物語みたい
2人の時間 積み上げたとしても
どこにも行けず 何にもなれず

私はあなたのどこに残るかなぁ

胸を苦しくさせる切なさも愛しさも
車の中 ゆらゆらと溶けていった
この小さな水槽 すぐに飽和して
ガムシロップの中に溺れる虫になる

絡まっただけの赤い糸
本当は先も端も別々なのに
ほどけない逆説に逆らえず
蜃気楼の内側にうずくまる

嘘も偽りもない愛情の全ても
夜の海 ゆらゆらと溶けていった
はてしない暗闇 何もかも飲み込んで
私の体の分だけ 少し濃くなる

意味のあるものはいつか必ず
意味のないものに変わるけど
初めから意味のないものは
もう どうしたらいいのかなぁ

私はあなたの何かになりたかった

胸を苦しくさせる切なさも愛しさも
車の中 ゆらゆらと溶けていった
出口のない水槽 波間に彷徨う小瓶
満たされ過ぎた砂時計 進みも戻りもせずに
この小さな体 すぐに飽和して

神様 お願いだから 息をさせて




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
不貞な恋愛は人生において毒である。
カロリーのないシロップはエネルギーにすらなれず、
肝臓で解毒されてなにもなかったのと同じになる。
人口甘味料に侵されたアリのように
狂ったように蜜を吸い続け、溺れ死ぬ。
不毛だとわかっていても、砂で満たされた砂時計の様に
身動きが取れない。
ガラスが割れて砂が零れ出す日まで、
何一つ動かないのだ。





しんかいぎょ


くらくて ふかくて なんにもないせかいで
いきつぎしなくても うたいつづけたなら
どんなにいいだろう

ふんわりとひかってるくらげのライトあびて
しんかいぎょになりたい
しんかいぎょになりたい
あぁ

いきをしなくても こえはつづく
あぁ、あぁ、あぁ
おわらないまま せかいにひびく
あぁ、あぁ、あぁ…
あたしじゃ苦しい

暗くて不確定 あたしの未来は
心臓を締め付ける大きな気圧には
もう慣れたよ

めをとじなくても せかいはつづく
あぁ、あぁ、あぁ
くちてしまっても めにはみえる
あぁ、あぁ、あぁ…
あたしじゃ辛いよ

しんかいぎょになりたい
しんかいぎょになりたい




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2ndミニアルバム『人魚姫』収録曲。
ラバラバ初期の代表曲。
歌を歌うのに、ブレスの長さは重要である。
ブレスを長くするために肺活量を鍛え、
基礎練習を積み、豊かなメロディラインを紡ごうとする。
循環呼吸なる呼吸法があるが、これは管楽器に用いるもので
声楽では不可能だ。
もしもエラ呼吸が出来たら、ブレスをしなくても
歌を歌い続けることが出来るのではないか。
そんな歌うたいのジレンマと、
人間社会で人と関わりながら生きていくことの
息苦しさを同列に並べた内容の曲。
一番は願望の世界なので全編ひらがな表記、
二番は現実の世界なので漢字を混ぜてある。

チーズケーキ


10代のあたしはシフォンケーキ
夢いっぱいに膨らんで
理想としていた恋愛も
意外に中身はスカスカで
色んな人との出会いの中で
潰されたり 揉まれたり
20代のあたしはチーズケーキみたいな大人になった

くしゃくしゃに崩されたプライド
土台にしてぎっしりつみあげる
重さなんか気にしていられない
もっと大事なものがあるから

流行ものなんかに流されないで
いつ食べても変わらない
落ち着いてきちゃったあたしもそんなに嫌いじゃないんだ

誰にも合わせない意地と
何にでも合っちゃう味は
案外他では真似の出来ない
あたしだけの魅力かもしれない

幸せと災難との日々で
固まったり 焼かれたり
20代のあたしはチーズケーキみたいな大人になった

80のあたしはどんな風に美味しくなれるかな




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
20代はチーズケーキなのだ。
ビスケットを細かく砕いてしっかり土台を作り、
ぎっしり詰まった生地を流し込む。
生を冷やしても、こんがり焼かれても、
どうやったって美味しい。
30歳になったら歌わないと思っていたが、
意外に締めの一曲に使われることが多い。

つめたいヒカリ


ポコポコ ひんやり つめたいガラス
すりすり ぴったり かおくっつける
ゆったり 弧を描く 青いヒカリ
あたしはとっても憧れてるの

ねぇ 不思議な光るサカナ
あたしもそんな模様が欲しい

爪の間から尻尾の先まで青いヒカリ
ふんわりまとって夜の庭 踊りたい
音もしないで歩く跡に残る
ゆらゆら きれいなつめたいヒカリ

ねぇ 不思議な光るサカナ
あんたを食べたらそうなれるかな

ひげの先から瞳の中まで青いヒカリ
たっぷり抱えて屋根の上 踊りたい
澄んだ泣き声の後に残る
さらさら きれいなつめたいヒカリ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2ndミニアルバム『人魚姫』収録曲。
深夜のリビング、猫が熱帯魚の水槽を覗き込む。
光る魚を食べてしまいたいと狙っている。
そんな情景を描いた作品。






てんしのうた


ぼくがまだきみのてのひらくらいちっちゃくて 
あわいゆめのうみをひとりおよいでいたころ 
ひっくりかえしのまるいせなかにうけたのは 
きみのやさしいこえでした 

ぼくがまだめすらみえないくらいおさなくて 
あたたかいばしょでゆびをくわえていたころ 
まだみぬひのひかりのようにあったのは 
きみのやさしいうたでした 

ハッピーバースデー ありがとう やっとぼくはきみにあえた 
これからもずっと ぼくをあいしてくれる? 
ハッピーバースデー ありがとう ぼくはきみがだいすきだよ 
うまれてはじめてみたきみのせなかには しろいはねがみえた 

ぼくがまだいきもできないくらいちいさくて 
ひとりぼっちでだれかをよんでないてたころ 
なまえもないぼくをよんでいたのは 
きみのやさしいこえでした 

ぼくがまだきみのゆびさきよりもちいさくて 
くるしくなってちからつきそうだったとき 
あきらめかけたぼくをつなぎとめたのは 
きみのやさしいうたでした 

ハッピーバースデー ありがとう やっとぼくはきみにあえた 
これからもずっと そばにいてくれる? 
ハッピーバースデー ありがとう ぼくはきみがだいすきだよ 
うまれてはじめてみたきみのえがおには なみだのあとがみえた 

ぼくがやっといきができるようになって 
おおきなこえをあげてないたとき 
はじめてぼくのなまえをよんでくれたのは
きみのやさしいこえでした 




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

3rdミニアルバム『ボーダーライン』収録曲。
初めて授かった子供を妊娠初期で流産した。
当時は流産のパーセンテージが10%程度もあるなんて知らず、
かなり精神的にショックを受けた。
その時の気持ちを整理するために作った曲。
生まれてくる側が母親に送る逆バースデーソングとして。
幼い子供の視点なので、全編ひらがな表記。


なくしてしまったことに気付かない


貴方を好きになりました
初めて手にした愛情は
私の熱で融け出して
二酸化ケイ素を膨らます

形を成した小さな
器を満たした貴方の声
私はそれが嬉しくて
零れないように抱えた

夏の夜空を泳ぎ廻る
金魚みたいにはしゃぐ私は
自ら作った鉢の中に
閉じ籠って取り残された

夏の夜空を泳ぎ廻る
金魚みたいにはしゃぐ私は
満たされていた貴方の声を
なくしてしまったことに気付かない

夏の夜空から消えてゆく
大きな儚い花のように
やがては消え行く愛情に
気が付くことも出来ないままに

夏の夜空に星が浮かび
空っぽになったこの器は
軒下に吊るされ風に吹かれ
悲しい音を鳴らすだけ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
相手の気持ちを考えることすら出来ず、
ただ初めての恋愛に浮かれている。
二酸化ケイ素はガラスの主成分。
溶け出したガラスは金魚鉢になって
彼の声を湛えている。
それは徐々に減っていくのだが、
彼女はそれに気が付かない。
やがて空になったところでようやく気付くが
すでに彼はいない。
空っぽの金魚鉢はひっくり返して
風に揺れる小さな風鈴に姿を変える。






ねがいごと


ここが何処でも構わない
私が誰でも構わない
君が笑顔でいれるなら
それが しあわせ

守られてばかりで
苦しくて 歯痒くて
私もいつかは
君のようになりたかった

蝶の舞う迷路も
甘いお菓子の罠も越えて

ここが何処でも構わない
私が誰でも構わない
君が涙で濡れるなら
もう一度 はじめよう

時々迷うの
正しいことはどれなのか
それでも最後は
君の笑顔に辿り着く

白い花の丘も
時計仕掛けの夜も越えて

君が天使で淋しいなら
私が悪魔で構わない
君が笑顔でいれるなら
それが しあわせ

ここが何処でも構わない
私が誰でも構わない
君が笑顔でいれるなら
それが しあわせ

それが しあわせ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
劇場版魔法少女まどか☆マギカ叛逆の物語を観て書いたイメージソング。
タイトルの『ねがいごと』は『願いを一つ叶える代わりに魔法少女になる』
というアニメの内容から抜粋。
主人公が魔法少女になり、最後には必ず死ぬ、という結末を変えるために、
もう一人の主人公が時間を巻き戻し何度も何度も結末を変えようと試みるが、
残酷な結末は一度たりとも変えられない。
アニメ最終話では主人公自身が犠牲(天使)となり、この世の理を捻じ曲げ
解決したかに見えたが、劇場版ではその結果に納得出来ないもう一人の
主人公が自分が悪魔になり主人公を犠牲から解放することでハッピーエンド
にしようとする。
蝶の舞う迷路、甘いお菓子の罠はアニメ版の敵と対峙するシーンに由来。
白い花の丘は劇場版のシーンに由来。
時計仕掛けの夜=ワルプルギスの夜。


バイバイ


今日帰ってきてね 一番に私に教えてくれた
ずっと横で見てきた だから私もこんなに嬉しい
一年半越しの恋 始まる時も先に気付いていた
背中おしてあげたら 2人の歩みようやく分かれた

同じらせんの道 迷わない様に助け合いながら
ここまで来たけど そろそろお別れかもね

バイバイ 会えなくなるわけじゃないけど
朝も一番に起こしにいくけど
今よりも幸せになるように
ずっとずっと…ずっと祈っている

まだ明日の朝は同じ時間に家を出るけど
もう帰る時間も寄り道場所も変わってくね

格好いいけれど似合わない服増えていくね
気に入って揃えたスニーカーも履かなくなるかな

バイバイ 会えなくなるわけじゃないけど
夜も最後におやすみを言うけど
いつもより少し短い返事
なぜかわからないけど さみしい

つめたい粉雪が触れて消えるように
こんな想いもフェードアウトしてく
私も前を向いて飛んでいこう
もっともっと 高く

バイバイ 会えなくなるわけじゃないけど
2人の絆 消えるわけないけど
今よりも幸せになるように
ずっとずっと…ずっと祈っている

ずっとずっとずっと…ずっと祈っている




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
家族の恋を応援しながらも少し寂しい気持ちを抱えるという曲。
兄妹のように親しくしていた友人への想いからイメージした曲。
同じらせんの道…DNAの二重螺旋。家族であることを意味している。


ボーダーライン


仕事は上手くやれてます
友達とも素直に笑えてます
食事は三度取れてるし
毎日きちんと眠れてます

ただひとつ 私に足りないのは
あなたの愛情を信じること
一緒にいるほど不安になって
傷付けて 振り回して 
何かが途切れてしまうの

私は実体のない境界線の
上に足が貼り付いて
常に揺れて行き場がないの
それでもまだ『世界が悪い』と
まるでまるで自分が逆さなのに
気付けないよ

私はまるで水のようで
あなたの愛情はナトリウム
純粋に愛すれば愛する程
触れる度に転がって弾け飛ぶ

いつからだったのかも分からない
想いの交わる確率は
ほんの僅かなものだから
あなたが今 ここにいるのが
間違いだと思ってしまう

私は教会の上の風見鶏
何処に飛べる訳もなく
廻り続け 錆びついてしまうの
どこを向いても同じ黄昏時
朽ち果てた目で向う方角も
見失った

離れていても平気だから
このままいなくなってください
触れてくれたら落ち着くから
毎日一緒にいてください

私は実体のない境界線に
絡め取られ 動けなくて
誰の声も届かなくて
蜘蛛の巣のようなこの場所から
糸が朽ちて 生まれ変われる日を
待っています

アポロニウスの描く月の様に
一番近くを回っていてください




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

3rdミニアルバム『ボーダーライン』タイトル曲。
境界性パーソナリティー障害(ボーダーライン)をテーマにした曲。
ボーダーラインはとても不安定である。
相反する二つの感情をぐらぐらと行き来する。
『いなくなって欲しい』気持ちと『居て欲しい』気持ちが
めまぐるしく入れ替わり、相手も自身も疲弊してしまう。
『見捨てられることへの極度な不安』と『確かな自分のイメージの欠如』が
不安定の根源であり、人間関係を壊してしまい、結果自傷行為や摂食障害へ繋がる。
10代〜20代に多く発症し、歳とともに落ち着く傾向にある。
アポロニウスの描く月…アポロニウスは天動説の時代の天文学者。
地球を中心にその他の天体が周りを回っていると考えられていた時代、
月はもっとも地球に近い天体であった。
一般の人が地動説を唱える普通の感覚であるならば、
ボーダーラインは天動説を信じ込んで誰の話も聞かない状況のようなものだ。
一人では間違いに気付かない。
二人では傷付けてお互いに苦しむ。
つかず離れず距離を取って、開放される時をじっと待つのだ。


shower


「匿った金糸雀はもういない」然程寂しい訳じゃない 
最適な温度で最低の生活 それが日本のソフィストのスケール 

挫折すると解っていながら走り続けたプライベートの波間 
ミクロとマクロの中間辺がきっと僕と君とのサイズ 

逆夢 正夢 実しやかに騙ってみたり 
前人未到のクライアントにアタックしてみたり 
オプティミストな二人の朧げな記憶によれば その夜は 
こんぺいとうの流星群のような 
sweet shower 光ってた 

戸惑った言葉はもういらない もう辞書を引くことも無い 
最善の手立てで最悪の結果 やっぱ努力が足りないと思う 

放棄すると解っていながら急ぎ渡ったオフリミットの時間 
ダイヤとルビィの中間色がきっと僕と君とのJEWEL 

愛しい金糸雀 一期一会って思ってみたり 
誠心誠意でコンセンサスに勉めてみたり 
クロロホルムが二人の哀しげな記憶を消して その夜は 
質量の重い霧雨のような 
true shower 気付いてた 

惰眠すると解っていながら通い続けたセミナーの帰り 
朝日と涙のスペクトルがきっと僕と君との光のシャワー 

掴んで放した悔しいこと叫んでみたり 
合縁奇縁でアウトサイドでブロックしてみたり 
エゴイストだと他人の評価だけ記憶を消して その夜は 
聖夜に舞う粉雪のような 
sweet shower 黙ってた




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

中学二年生頃の作品をリメイクした曲。
当時はがむしゃらに詩や文章の練習をしていて、
子供心に難しい言葉やカタカナ語を使いたがったものだ。
歌詞の意味というより韻律を楽しむための一曲。






マイメロディ


弧を描く様なメロディーラインたどって
君の中にすべり落ちてゆきたい
息をするみたいに歌い続けたら
歌うように生きてゆけるのかな

『今日』は一粒一粒 奏でる黒い星
うしろを振り向けば みんな違う曲

月の内側をするするとすべって
そのまま夜空の星になれるかな

今は不安な和音に惑わされてしまうけど
その先はきっと素敵なドミナント

弧を描くようなメロディーラインたどって
君の中にすべり落ちてゆきたい
眠るみたいに歌い終われたなら
百年先も心に残るのかな




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
中学生の頃の曲をリメイクしたもの。
ドミナント…属和音。ドミナントの後は主和音に着地する。





マテリアル


永遠にねむってしまったその時は
結んだ手にそれを持たせてね
芽吹くのに時間はかかってしまうけど
きっと私の体がとけて大きな木となるでしょう

世界は広がっていて
私も広がっていく
だけど少しでもとどめていたいの
白く残るためいきも
私のかけらとなって
私の葉が茂る頃には舞い戻ってくるでしょう

永遠に眠ってしまいたいその時は
私の足元で眠ってね
葉が落ちて季節がめぐってくる頃は
きっとあなたの体がとけてまたひとつになれるから

忘れてくれてもいいよ
思い出さなくていいよ
だけど少しでもとどめていたいの
私が生きた証
何かに成り得た事実
だから私の小さな願い 叶えてください

世界は広がっていて
私も広がっていく
だけど少しでもとどめていたいの
やがて枝も枯れ果てて
ばらばらに散らばってく
そのときは永遠にも飽きて

話したくなるのかな




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
マテリアルとは元素のこと。
自分を構成する元素は呼吸や代謝によって日々入れ替わり、
毎日新しい自分を構築する。
呼気と一緒に出て行った元素も巡り巡っていつかまた
自分の体に還ってくるかもしれない。
死後、いつまでも誰かに覚えていて欲しいわけではない。
ただ自分の体を構成していた元素を何となく形に
留めておきたいだけだ。

マルベリー


僕の世界樹はマルベリー
林に1人立つ控えめな彼
ジジくさい葉 繁らせて
歳より古臭く見える幹

毒みたいに澄んだ赤
ちいさな甘い葡萄
ひとくち食べたら懐かしい安堵の味

僕の世界樹はマルベリー
あんまり役には立たないけれど
大きな葉っぱをもぎ取って
お守り代わりに持っていこう

薬みたいに澄んだ赤
少しだけ苦い香り
袋に詰めたら露で淡く染まる

僕の世界樹はマルベリー
雫を舐めても何も起きない
それでも僕はここにくるよ
何にも変わらない想い出の木




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
幼い頃、よく遊んだ場所に大きな桑の木があった。
それは幹を斜めに生やし、沢山の実をつけた。
あの頃の私にとってあの木が世界の中心であり、世界樹だ。
曲間にはドラゴンクエストのロトのテーマの冒頭一小節を
入れ込み、私の世界観とゲームの世界観が混ざったような
詩になっている。
ミジンコのしあわせ


顕微鏡の中のぞくと今日もいる
ミジンコはいつ見ても横を向く
1ミリの虫には1ミリ分の魂が
入ってるだろうけど何を思うのかな

池の中の緑の奥に楽しいことがあるんだろうか

そこに恋はあるのかな 悲劇もあるのかな
ドラマチックな顔なんてひとつも見当たらないけど
そりゃ僕もおんなじで たいしたもんじゃない
「また覗いてるよ」なんて言われてんのは僕の方かもしれないな

バス停の前通ると今日もいる
あの子にはいつも目を奪われる
あっちからしたら僕なんてちっぽけで
ミジンコくらいに見えているんだろな

鏡の中の笑顔の下に悲しいこともあるんだろうか

たぶん恋もあるだろう 悲劇はどうだろう
ドラマチックな展開がきっと今日もあるだろう
そりゃ羨ましいけど 僕は僕でいい
ミジンコ以上君未満の道を歩いていくさ

顕微鏡の中覗くと今日もいる
ミジンコはいつ見ても横を向く
大きいおなかにたまごをいくつも抱えては
僕より幸せそうに胸を張る

そこに恋がなくたって ドラマがなくたって
単純な幸せってやつはそこら中にあるんだな
そりゃ何かあるほうが面白いんだけど
今の僕もきっと いやかなり幸せなのかもしれないや




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
一寸の虫に五分の魂は無い。
身の丈に合った中身しか得られない。
自分自身の幸せは他人の幸せと比較の対象にはなり得ない。
恋愛ごとやドラマチックな日常だけが幸せではない。
日々同じように生きていること自体が幸せなのだ。
花を見て美しいと思えること自体が幸せなのだ。





ミント チョコレート


すっと辛いタブレットばかり
ポケットに持ち歩いているけど
本当は辛いの苦手なの知ってる
キスの前の照れ隠しなんでしょ

気怠く甘いチョコレートばかり
カバンに持ち歩いているけれど
知ってると思うけど私の体は
お菓子で出来ているから

不器用な愛情表現も
嫌いな訳じゃないよ
ただ空腹な時には少し
足りなく思えるだけ

拗ねたりなんてしないから
怖がらないでいいから
知ってると思うけど私の体は
甘いよ おいでよ

めちゃくちゃな恋愛感情も
否定しなくていいよ
二人で足りなくならない様に
与え合えばいいだけ

気怠く甘いチョコレートだけじゃ
とろけて消えてしまうでしょ
私にはあなたが必要だから
チョコミントのキスをさせて




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
ベタな恋愛ソング。
私の大好物のチョコミントを題材にした曲。
『私の体はお菓子で出来ているから』は
有名なマザーグースの一編に由来。

What are little boys made of?
What are little boys made of?
Frogs and snails
And puppy-dogs'tails,
That's what little boys are made of. 

What are little girls made of?
What are little girls made of?
Suger and spice
And all that's nice,
That's What little girls are made of.

男の子って何でできている?
男の子って何でできている?
蛙に かたつむりに 子犬のしっぽ
そんなものでできているよ

女の子って何でできている?
女の子って何でできている?
お砂糖と スパイスと すてきななにもかも
そんなものでできているよ

ゆき と くろねこ


あたしの心は粉雪のようにふわふわ真白いけれど
あたしの体はつやつや綺麗な夜みたい

金星みたいにぴかぴか光ったまんまるあたしの目には
やたら吠える犬 石を投げる人 よく映る

手のひらだって真っ黒だけど 触ればこんなに柔らかいのに

あたしの心はお砂糖みたいにさらさら真白いけれど
みんなの心はお砂糖みたいに甘くない

心臓だって綺麗なピンク 取り出せるのなら見て欲しい

あたしの心はこの雪のようにふわふわ真白いけれど
目には見えなくて 音もしないから わからない

このまま動かず雪が積もったら 真っ白になれるのかな
そしたら今度は誰かがあたしを撫でてくれるかな




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stミニアルバム『きらきらぼし』収録曲。
黒猫は縁起が悪いと言われている。
魔女の使いであっったりもする。
しかし黒いからと言って性格が悪いわけではない。
中身はただの猫だ。
見た目ゆえに迫害されることもあるだろう。
マザーグースのように可愛いメロディーと小気味良いリズムの
曲で子供受けは良いが、人種差別をテーマにした一曲。
ラブラドール


抱きしめられる愛なんて
たくさんたくさん散らばってるけれど
抱きしめたい君は
この世にひとりだけ

ふわふわの茶色い髪
撫で回される どこにいても
黒い瞳 長いまつげ
みんな あたしを好きになる

それはそれでとても素敵
神様すら あたしの虜
でも一番大事なもの
あたしの気持ち ちゃんと見て

いつも優しい声で
呼んでくれる 君のその声が好きよ
あたしも君の名を呼べたら素敵なのに

雨の日は傘さして
水溜まりは抱っこしてくれる
夜になれば 暖かいベッドで一緒に眠くなる

もしあたしが夢に出たら
その時だけは魔法をかけて
白い腕と長い足で
あなたを抱きしめに行くから

愛してくれてありがとう
いつか 遠く会えなくなるんだけど
あたしのいちばんは
この世にひとりだ

抱きしめられる愛なんて
たくさんたくさん散らばってるけれど
抱きしめたい君は
この世にひとりだけ

世界にひとりだけ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
犬の話と思われがちだが、実際には犬に限った話ではなく
『愛されるもの』の意味のLove + Doll である。
主人公は動物かもしれないし、人形、もしくは幼い子供かも知れない。
美しい容姿は何処へ行っても持て囃される。
どれだけ沢山の人に愛されても、自分が何を気に入るか、が大事なのだ。





レジンの涙


私の涙はいつも きらきらとこぼれながら
綺麗なふりをするだけ ダイヤにはなれない

口にした後に気付く 君を傷付ける言葉
『うそだよ』と笑わなければ 泣いて消えてしまうから

ホントのことは時々 何よりも痛いから
やさしい嘘でくるんで 真珠みたいに隠すの

私の涙はいつも 流しすぎて価値のない
綺麗に見せたいだけの 偽物 レジンの涙

剥き出しの心でいたら 駄目になってしまうから
強いふりをしていたら 強く 鈍くなった

私の涙はいつも きらきらとこぼれながら
綺麗なふりをするだけ ダイヤにはなれない

君の投げるとげとげの
言葉で何度転んでも
ガラスみたいにか弱く割れたりはしないから




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
レジンとは透明な樹脂のことである。
レジンの涙は悲しみの涙ではない。
自分を儚く弱く美しく見せるための飾りなのだ。
安物のレジンの唯一良い所は耐久性である。
落としてもぶつかっても、決して割れたりはしない。



わたげ


飛んでいきたくて 花を咲かせた
カナリヤみたいに 黄色い翼真似て
小さく丸く 可愛く咲いたら
ヒヨコみたいで 飛べやしなかった

このまま白く大きくなっても
ニワトリじゃ飛べない
雀のママが教えてくれた
「細く柔らかな産毛になったら?」

それほど遠くに行けなくてもいい
ひとりぼっちになりたくないから
低空飛行でほんの少しだけ
自分の場所を見つけたいだけ

黄色い羽根をくしゃくしゃ縮めて
痛かったけど一枚ずつちぎった
お空の色がピンクから緑へ
変わった頃にもう一度咲こう

埃まみれの妖精みたいで
少し恥ずかしいな
それでも丸く繋いでいた手を
空に放したら風に広がる

小さくみじめな格好でもいい
ひとつひとつは弱々しいけれど
いつかは野原を一面飾って
やさしい春を作りたいだけ

飛んでいきたくてこの手を離した
ひとりぼっちにならない場所に
ふんわり落ちて眠りにつくよ
また次の春 夢に見ながら




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
子供向けの作品として書いたもの。
お空の色がピンクから緑へ…桜の花が散り、葉桜になった様子
埃まみれの妖精…ケサランパサラン(綿毛のような謎の生物)


一緒にごはん


美味しいねって笑い合えるひと
私の大好きなひと
ありがとうってすぐに言えるひと
私の大好きなひと

食べること 歌うこと 眠ること
それが私の3つの欲求
ひたすら繰り返す日々の中で
楽しくないわけがないよね

美味しいものがこんなにあるから
私は今日も生きてる
会いたいひとがこんなにいるから
私は今日も生きてる

辛いこと 酷いこと 悲しいこと
たまにはちょっとくらいはあるけれど
誰かに寄り添って食べるごはん
これでずっと楽になるでしょ

美味しいねって笑い合えるひと
私の大好きなひと
会いたいひとがこんなにいるから
私は今日も生きてる

私は生きてる




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
ラバラバは飲食店でライブをすることが多い。
これは私が『音楽は何かをしながらついでに楽しむもの』だと
考えているからである。
食事をしたり、お酒を飲んだりしながらライブを楽しんで
もらいたいので、出来るだけゆったりと座れて、
美味しいお酒、美味しいごはんがある場所でライブがしたいのだ。
この曲はそんな場所を提供してくれるお店の方々、
聴きにいらしてくださる皆様に向けたありがとうソング。
楽しく演奏して、終わったら一緒にごはんを楽しむ。
それが一番の理想であり、それが全てなのかもしれない。




アシンメトリ


僕達は神様の銀細工
不器用な手で丸められた
だからこうやって合わせる両手で噛み合わぬ曲線

その指先で作る銀細工
お互いのイメージそのままに
背を向けあって丁寧に輪を繋ぐ

機械でゆがめられた正しいカーブよりも
二人で歩く道の様で嬉しい

そのねじれが可愛い
その歪みが愛しい、と
非対称なりの愛情が溢れているでしょう?
形なんて不揃い
想いだけがお揃いの
世界にひとつだけのペアリング

僕達の世界は小さい
どんなに距離をとっていても
2万キロ以上は離れたくても離れられない

例えそれだけ離れても
地球の中心を貫く
心の距離はその半分くらい

正確に作られた時を刻む針よりも
君のまばたきのリズムが気持ちいい

右に傾く寝顔
猫背のシャツの影にも
なんだか意味のあることに思えてしまう様に
正しくないことが
好きだと言える程
矛盾を抱えてる君だから愛しい

機械でゆがめられた正しいカーブよりも
君の変なひらがなの方が好き

そのねじれが可愛い
その歪みが愛しい、と
非対称なりの愛着を感じてしまうけど
まっすぐでありたい
曇りなく生きたい、と
正しい姿に僕らは正しく憧れながら
お互いの指に思いを馳せる




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stミニアルバム『きらきらぼし』収録曲。
冒頭Aメロの4小節はコードの根音が保続音であり、これは『平穏』『不変』の象徴。
噛み合わぬ曲線…手相のこと。左右完全対象の人間はいない。
機械でゆがめられた正しいカーブ…精密に作られたリングのカーブ、印刷された活字。
地球一周は約4万km、なので地球上でもっとも遠い地点までの距離は約2万km。
地球の直径は約1.27万?。
ラストのサビ中盤での転調は、ポジティブな感情の変化の表れであり、決意。
後奏の保続音は決意を持ちつつも変わることのない平穏の音。
銀粘土を成形してお互いのために銀の指輪を作っている。
形は同じでなくても、お互いを想う心だけがあれば、
それはどんなに高価な指輪よりも価値のあるものだ。
雲の底辺


8mm位のアクリル板がドームみたいに僕の街を飲み込む
植物園の温室みたい 不自然な熱と湿った空気

天井に寝そべる巨大な白い綿雲
昔観た映画の長い犬にも見える

大きくジャンプすれば必ず届くよ
邪魔な物何も無い 酷く透明な世界
両手で捕えるんだ あの雲の底辺
ぶら下がり 前回り そこはもう温暖化の境界線

容易く言えば水槽のカメ 蓋なんてなくても逃げやしないよ
それでも僕は自分で作る 見えない囲い 在りもしないオフリミット

隙間無く並べたドミノのひとつずつに
無限の可能性 それこそ無限にひしめく

足元見ていたら先には行けない
枷なんて気のせいで 人は何でも出来るよ
ここから手を伸ばす あの雲の底辺
距離感を駆使したら 太陽も自分の手の中

天井に寝そべる巨大な白い綿犬
気持ちよく寝ているおなかを触ってあげるよ

大きくジャンプすれば必ず届くよ
邪魔な物何も無い 酷く透明な世界
両手で捕えるんだ あの雲の底辺
ぶら下がり 前回り 逆上がり 逆様に空を見ろ

前だけ見据えるんだ 手を伸ばす先へ
限界はここじゃない アクリルの空の彼方
体中で捕えるんだ あの雲の底辺
しがみつき のし上がれ そこはもっとすばらしい青空




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

3rdミニアルバム『ボーダーライン』収録曲。
空に浮かぶ雲の底部にぼんやり陰が出来ている。
そこにはおそらく目に見えない気圧の壁があって、
そこより中に雲は入っていくことが出来ないのだろう。
そんな情景を描いた作品。
昔見た映画の長い犬…ネバーエンディングストーリーのファルコン
隙間なく並べたドミノ…乱立するビル街




丸山陸橋


夕暮れ時 奏でる 見馴れた交差点
神経質な君は顔をしかめる
それも悪くないよって私は笑う
どこか遠くでサイレンが響く

オレンジ色に染まる街並
いつも違う雲
窓に映る灯が遠ざかってく

あー どこまで行っちゃうんだろう
トラックの後ろ 先も見えないまま
ついて行っちゃうんだろう
それもまた一つの人生

楽になれば 何も残らないんだろうか…
光の道標の中 流れ流れるままに

あー どこまで行っちゃおうかな
いっそ誰も届かない場所へ
手が伸びてきて 空を切るんだ
また空中浮遊

あー どこまで行っちゃうんだろう
心の赴く 先も見えないまま
ついて行っちゃうんだろう
それもまた一つの人生

このまま旅をしないかい?
君はやっと笑った
私も笑った
それでいい…




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2ndミニアルバム『人魚姫』収録曲。
ラバラバ唯一、作詞作曲MIKIの作品。
メランコリックなロードムービー的作品。
タイトルの『丸山陸橋』は当時MIKIが住んでいた
マンションから見える、中野区にある環七沿いの陸橋。




君を待つ間


眠る君を見ながら 昨日の事思い出す
丸い目で星を追う そこに僕はうつるかな

悲しい夜が君を覆うとしたら
連れて行かれぬ様に 腕の中庇うよ

今は静かな寝息で やさしい夢見て欲しい
たとえ明日が雨でも 君を笑わせるよ

辛い別れが 君を離さなくても
今の君の全てを 抱えて歩くから

眠る君を見ながら 昨日の事思い出す
無理して笑わなくても 僕がそばにいるよ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
主人公は彼女が好きで、彼女は他の誰かに恋をして、失恋をする。
それを静かに隣で支えている、という内容の曲。
彼女が失恋から癒えて、自然と自分を受け入れてくれるまで、じっと待つのだ。
タイトルの『君を待つ間』とはほんの一瞬ではなく、
何年にも渡る彼の優しさの時間なのだ。



光子のベル


魂が 魂が
震えるときになる
かすかな音が
あなたにも届くように
願いを込めて 今
祈るように眠るよ

誰しもが目に見えぬ
光の海の中 もがきながら
心より重たい体に
離れないように寄り添う

あなたにも満ちている
見えない光

言葉より曖昧で
描くこともできない
かすかな音が
遠く離れた誰かの耳に
聴こえてくれたらいいのに

ありふれて気付かない
優しい光

体だけ震わせる
意味のない声じゃ
消されてしまうから
心ごと 想いごと
すべてを動かして
貴方の元へと…




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
光子…知覚できないほど小さな粒子をまとめて光子と表現している。
この宇宙を隙間なく埋め尽くす粒子が沢山存在していて、
それは私達の体の中を満たし、止め処なく通過している。
まるで海の中を水が満たしているように。
海の中で鯨の鳴き声が何処までも響いていくように、
私の声もこの粒子を震わせ、何処までも響いていけるのではないか。
一連に並べられたベルが一斉に鳴り響く様に。
しかし、ただ声を出すだけではそれは難しい。
心からの想いを込めた魂の震える音だけが、
まるで光のように何処までも途切れることなく伝わっていくのだ。


細胞のワルツ


世界はすべて3拍子のワルツ
「生まれる」「生み出す」「いなくなる」
私もおんなじ流れにまかせて
その中を泳ぐ

ちいさなかけらの一粒ずつが
恋をするように自然に重なる
私が私を生み出しながら
指先を紡ぐ

紡いだ右手はやがて動き出して
世界を模して何を作る?
不器用でもね 何かを生み出す
小さな宇宙

ちいさなかけらの一粒ずつが
恋をするように自然に重なる
震えるかけらを寄せ集めながら
歌声を紡ぐ

私が死んでも世界は回る
一粒ずつに終わりは来るけど
何かが何かを生み続けるから
私もここで永遠を紡ぐ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
タイトルは『細胞のワルツ』だが、曲はワルツではない。
元はイラストレーターのみる子さんの『細胞のワルツ』という
絵を受けて、私が曲を作ったものである。
細胞が彼女を紡ぎだし、彼女の指先が絵を描く。
細胞が私を紡ぎだし、私の体が歌声を響かせる。
そしてお互いにいつか『いなくなる』だろうが、
そんなことは大した問題ではない。
何かを生み出したかどうか。
それが存在した意味そのものであり、
何かを生み出したのであれば、それはこの宇宙の永遠の一部に
参加したということになるのだ。





私的ラグナロク


明日 世界が終わればいいのに。
そうすればなんにも悩むことないのに。
美味しいごはんとちょっと高いお酒、
一番好きな人と食べるから。

今の僕には一年後すら
見えていないのが現状で
絶えず波打つ 不安と戦い
想いも考えも定まらず

やるべきこと やりたいこと
正当な矛盾を人並みに抱え
「愛したい」と「愛して欲しい」
バランスが取れずに嫌になる。

そんな世界で苦戦しています。
全てが上手くいくなんて無理かな?
見えもしない将来の事とか
私にわかるわけないのにね。

夢見てたら いつかは叶う
「いつか」がいつなのか考えもせず
中身のない話ばかりしていては何にも進まない。

明日 世界が終わればいいのに。
そうすればいっそ あきらめもつくのに。
無駄な毎日が続いてくよりも
充実した日に出来そうなのに。

明日 世界が終わればいいのに。

神様が地球を踏み潰せばいいのに。

隕石がたくさん降ってくればいいのに。

私が終わるのが早いかな?




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

3rdミニアルバム『ボーダーライン』収録曲。
幼稚な歌に見せかけて、実は超絶技巧を駆使した玄人受けの良い作品。
ラグナロク…北欧神話における『世界の終末の日』
どれだけポジティブに生きていても、死にたい衝動に駆られる日もある。
あー死んでしまいたい。いっそ世界が壊れてしまえばいいのに。
という自暴自棄ソング。
冒頭の4行は基本ノンブレス。ワンフレーズで歌いきる。
ラストの4行は一行毎に転調を重ねて最後は元の調に戻る。
歌い手泣かせの一曲だ。
「いつか」がいつなのか…漫画『南国少年パプワくん』での名シーンのオマージュ。
主人公が軍隊から逃げだし、南の島での生活に慣れ親しんでいく。
結局は軍に戻ることになるのだが、そのときに彼が
『いつかまた戻ってくる』と言ったのに対して、
『「いつか」なんて日はいつだ』と残された側に言い返されてしまう。
大人はすぐに都合のいい言葉でごまかしてしまうのだ。



柔らかい糸


はじめて会えた運命のヒト
赤くはないけど柔らかい糸
緩んでたから気付かないだけ
引き合った時確かにわかる

交差点でも曲がり角でも
途切れない様に気をつけながら
見えない糸を指に絡めて
車の影そっと飛び越える

色んな物が邪魔をするたび
たぐり寄せてようやく見えた

近づいて来るたびに嬉しい
つまづいて落とすとしても
なくしたりしないよ

意地悪ばかりするけどいつも
繋がってること引いて確かめる
こわがりなのに強がる素振り
そんなところを可愛く想う

道行く人に踏まれないように
空にかけたら虹になった

二人の気持ちを色に乗せて
七色に変わっていくよ
「あいしてる」の赤が染み出して
どこまでも広がっていく
夕焼け空になる

近づいて来るたびに嬉しい
つまづいて落とすとしても
七色に光るただひとつの
運命の柔らかい糸
なくしたりしないよ

はじめて会えた運命のヒト
優しくないけどやさしい瞳
忘れっぽいから手をつないでね
指に絡めて なくさないように




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
運命の糸は最初から赤いわけではない。
ただ途切れないように細く長く、柔らかい。
長い長い糸をお互いに手繰り寄せて初めて出会うのだ。
その糸はお互いの感情で様々な色に変化する。
怒ったとき、悲しいとき、嬉しいとき、寂しいとき…。
お互いに『愛しい』と思えた時、初めて赤く染まっていく。
そうして手繰り寄せた糸はお互いの手を繋ぎ、
必要のないものになっていくのだ。




小春日和


時間がないって騒ぐ彼の
無くした時間は私が持ってる
眠る時間は8時間
それでも余るくらいのTime

最近じゃ休みの日でも
電話したり机に向かったり
頑張り過ぎて仕事の方が大事になってない?

今日は小春日和
外に出てみなくちゃ勿体無いね

プロムナードを散歩しよう
横に並んで 手を繋いで
明日の会議の資料くらい手伝うから

今日は小春日和
外に出てみなくちゃ勿体無いね

プロムナードを散歩しよう
横に並んで 手を繋いで
今夜の夕飯くらいは頑張るから

たまには日に当たらなくちゃ死んじゃうから




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
中学生の頃の作品をリメイクしたもの。
当時は小春日和=春と勘違いしていたのだが、
実際には晩秋〜初冬にかけての暖かく穏やかな晴天のことである。





焼きマシュマロのうた


痛くなる前に溶けちゃう
甘い倦怠感
白い感触さえ滲む
幸せの麻酔

それはまるで私の心そのままのようなもので
嫌われる訳じゃないけれど
一番にはなれないよ

味わう前に溶けてしまう
甘い倦怠感
口の中に微熱残す
幸せの麻酔

悲しい気持ち 泣きたい気持ち
火が点く前に逃げても
君の熱で焦げてしまって
もとには戻れないよ

痛くなる前に溶けちゃう
甘い倦怠感
ぼやけた思い出を隠す
幸せの麻酔




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2ndミニアルバム『人魚姫』収録曲。
当時よく行っていた焼き鳥屋さんのメニューに焼きマシュマロ
があった。
焼いたマシュマロは温かいアイスクリームのようでとても美味しい。
だが、いくら美味しくても焼き鳥屋では一番人気メニューには
ならないし、なれないのだ。









人魚姫


大好きなあなたがいて 幸せな深い森の中
いつまでもこのままで あたたかく暮らしたかった
いつもの様に苺を摘む かごにいっぱいの帰り道
透き通る湖に 心惹かれてつま先伸ばす

風もなく 音もなく それは神聖な儀式
触れる水面 揺れる景色 そこから体ごと 吸い込まれ…

目が覚めた あたしは人魚
決してあなたとは一緒に生きれない
夢見るだけの この水の檻で
たった一人 嘆いている
人魚姫

大好きなあなたは今 どこで何をしていますか
囚われの私は今 小さな淡水で苦しいです

もう今では 時間さえも どれだけ経ったのか
それでもまだ 覚えています 幸せだったあの瞬間

どうしてなの あたしは人魚
決してあなたには触れられもしない
涙も見えぬ この水の檻で
海へさえも帰れない
人魚姫

泡になって消えたほうが ずっとずっと幸せだった
誰もいない 深い森は あたしだけ閉じ込めてしまった

目が覚めた あたしは人魚
それでも もう一度同じ夢を見る
大好きなあなたはもう 
夢の中だけにしかいない
どうしてなの あたしは人魚
ただ あなたを愛しただけなのに
心すら 引き千切られて
残酷な夢を見てる
人魚姫




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2ndミニアルバム『人魚姫』タイトル曲。
ラバラバ史上、もっとも人気を博した曲。
アンデルセンの人魚姫は泡となって神様の下へ旅立つが、
現実であればそんな都合よくはいかないだろう。
海の中にひっそりと暮らす人魚族は掟も厳しいだろう。
人間と接触したなんてよほどの重罪である。
結果、彼女は捕らえられ、人の来ない森の中にある
小さな湖に閉じ込められてしまう。
人魚にとって淡水は息の出来ない苦しい世界。
人魚の寿命は人間よりも遥かに長命で、
きっと何世紀もそこで生き続けていることだろう。
幸せな夢を見て、目が覚めて絶望する毎日を
彼女は死ぬまで味わい続ける。
絶望と感情の高ぶりを表す転調がラストに二回ほどあるが、
最後は何事もなかったかのように前奏と同じ
静かな森のテーマに回帰する。
彼女が苦しもうが辛かろうが、森は平穏にそこに在るだけだ。

アレルゲン


出会った時からすぐに こうなることはわかってたの
甘い香りに胸が痛くなってしまうから

ただひたすらに ただ無邪気に
大好きだったあの頃
一度触れたら 知ってしまった
あなたは私のアレルゲン

好きだけど 駄目だよ
流れ込んでしまった あなたの気持ち
もう一度 触ったら
私の心が拒んで死んでしまうから

どうして心と体は 矛盾だらけになるのかな
ガラスのケースに入れてしまえば楽なのに

離れていたって想ってしまう
何も知らない私がいて
大人になった未来の私が
無理矢理縛って動けない

好きだけど 駄目だよ
わかっているけど これが私の気持ち
何度でも触れていたいのに
私の細胞が決してそれを許さない


好きだけど 駄目だよ
体中で感じる あなたの気持ち
もう一度 触ったら
私の心が拒んで死んでしまうから




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2015.12.23発売のデビューシングル『DreaMars』の3曲目。
純粋な想いと社会的秩序をアナフィラキシーショックに喩えた内容。
何も知らない子供であれば貫ける想いかもしれない。
しかし、知らないふりが出来ない程度に彼女は成長してしまった。
周りの人を想えば絶対に受け入れてはいけない愛情。
優しさ故の矛盾を抱えて苦しんでいる最中だ。
しかしそれは心の成長過程での通過点である。
あと一歩心が成熟すれば、『猫になる夢』の二人の様に
その痛みすら愛おしいと思えるようになるのだろう。





世界の穢れ


遥かな昔の偉大な大人が
全ての罪を飲み込んでいった
新たに作った大きな穢れは
一人の体じゃ耐え切れぬ

どんなに閉じ込めたとしても
永久に残るは大きな不安
いつかは地面に穴が開き
希望すら残らず逃げてゆく

世界が穢れてゆくのなら
私も穢れてゆくのだろう
それが醜く見えるのなら
私はそれでもかまわない

この地が育む物を食(は)み
雨が募った水を飲み
小さな呼吸を止められない
私はここでしか生きれない

世界が穢れてゆくのなら
私も穢れてゆくのだろう
一人の体に持てるだけの
穢れを抱えて歩きたい

世界の穢れと呼ぶものが
いつか尊いと思える日まで




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
東日本大震災の後、福島の原子力発電所の件で世間は右往左往した。
国外へ逃れた人、国内の一番遠地へ移住した人、
子供を外で遊ばせなくなった人、東北の食べ物を口にしなくなった人。
もちろん超高濃度の放射能は細胞を壊し、即死となるのだが、
広島・長崎の方がみんな即死したわけではない。
むしろ長生きしている人もいるくらいだ。
避けようが避けまいが、わずかずつ体内にそれらは入り込んでくる。
私はそれでいいと思っているし、そうならざるを得ないだろう。
イエスキリストのように人間の全ての罪を一人で背負うつもりで
あれば、私の体ではすぐに崩壊するだろう。
しかし、地球上のあらゆる生物に均等に降り注いだとしたら、
ほとんど影響のないレベルの話である。
人間のしたことには人間が責任を取らなければならない。
しかし、根本の話をすれば元からそんな危ない橋を渡らなければいい。
核燃料の廃材がクリーンなエネルギー利用できるほどの
技術力が備わるまで、人間は神の領域に手を出してはいけないのだ。


星になれ


他人の引力の狭間で
座標が決まらず不安定
無重力では落ち着かないけど
誰かに依存したくもない
近郊の取れた関係なんて
宇宙規模でも一瞬だから
自分の体を軸にして
爪先付いて回り出せ

私が星になればいい

自転の速さはより強い引力に
光輝けば一億光年の彼方まで
時空を超えて繋がっていけるよ
そんな力持て スーパースター

干渉されたりしたくない
だけど1人がいいってわけじゃない
人という字というような
寄っかかり合いはしたくない
私は私の定位置で
あなたはあなたの定位置で
宇宙の地図にピンを立て
触れ合わなくても繋がれる

あなたも星になればいい

指でなぞれば意味を成す星座
折重なれば銀河の大きな渦
ひとつの生き物になるように
そんな多重層の夢を見る

自分自身で光らなくても
彼方の光を届ける役目でも
輝く星になればいい

自転の速さはより強い引力に
光輝けば一億光年の彼方まで
時空を超えて繋がっていけるよ
そんな力持て スーパースター




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
珍しくアップテンポの曲。
自ら光を放つ太陽のような恒星を目指せ。
それが駄目ならその光を受けて輝く惑星になれ。
光の届かない場所で身を潜めている名も知らぬ星では人生はつまらない。


雪虫


白い穂を震わせて漂う仕草
ひらひらと揺れながらその木を目指す

雪と見紛うほどの儚い輪郭
生まれた意味ですらぼやけるように

白い穂を震わせて漂う仕草
ひらひらと揺れながらその木を目指す




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
雪虫は私の地域ではゆきんこと呼ぶ。
アブラムシの仲間。羽があるが飛ぶ力は弱いので風に乗って飛行する。
トドマツの根で育ち、卵を産むためにたった一種類の木へ移動するために
飛んでいく。
全ての雪虫はヤチダモの木を目指すのだ。
千年蛍


そこにここに 燈るいのち
あたり一面 別の世界

ゆらり揺れる 不思議なひかり
息を潜め 手を伸ばす

遥か昔から 営みは途切れず
今もこうやって 同じ景色を見る

ひとつふたつ 消えるひかり
恋するひとを 見つけたの

千の昔から 変わらない心
今の私でも 愛の歌を歌う

そこにここに 燈るいのち
恋するひとを 見つけたの




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
蛍をテーマにした曲を書きたいと思い、作った曲。
地元の川に毎年蛍を見に行くのだが、
この情景は本当に美しく儚げで感動的である。
千年以上前にも、やはり蛍をみて歌を歌ったということは
時空を超えてなお同じ感覚を持っているという感慨深い事実である。


物思へば 沢の蛍もわが身より あくがれいづる魂(たま)かとぞ見る
和泉式部

沢に飛び交う蛍が恋する相手に取り付かんとする自分の魂のように見えた、という歌。
蛍を見て愛の歌を歌うのは、今も昔も変わらないのだ。
一回目の『恋するひとを見つけたの』は蛍が光らなくなったのは
相手を見つけ、光る必要がなくなったのか、と蛍に問いかける様。
二回目の『恋するひとを見つけたの』は蛍を見て愛の歌を歌うことが
出来るほどに恋をする相手が自分にも見つかったのだ、という意味。
一つのフレーズに2重の意味を持たせる。
それは和歌に見習うべき詩歌の素晴らしいテクニックである。

猫になる夢


神様 どうか叶えて欲しい
私を猫に変えてください
あの人の温かい膝の上に
うずくまることができるから

神様 どうか叶えて欲しい
あの人を猫に変えてください
私のこの両の腕の中で
抱きしめることができるから

出来ないとわかっているから
それでも夢は見ていたいの
悲しい思いは今はまだいらない

神様 どうかお願いします
二人を猫に変えてください
誰からも何も咎められずに
死ぬまで寄り添うことができる様に




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2015.12.23発売のデビューシングル『DreaMars』のラストを飾る曲。
現代版ロミオとジュリエット。
年齢、立場、法律、性別、社会情勢など
この二人と同じ想いを抱いている人はいつの時代も世界中に沢山いるものだ。
せめて夢の中では二人猫になり、法的に罰せられることもなく
人の目を気にすることもなく、寄り添い眠っていて欲しい。
詩はとことん削ってシンプルに。
メロディーもマザーグースの様に可愛らしくも親しみやすいものを。
女性ボーカルのみ、男性ボーカルのみ、男女二人、同姓二人、
どんな組み合わせでも素晴らしい演奏になるだろう。
ライブでは様々なアーティストとコラボしていきたい。







命の楔


遮るものがなくなったら 
貴方は何を想うんだろう
要らないと思っていた筈の 
悩みも不安も大気の重さも

全てを投げ出さないで
意味のあるものだから

螺旋の糸で編み上げられた
貴方の体 ほどけないように
幾重にも施された 結び目に打ち込まれた
祈りの様な楔

心が枯れてしまわぬように
自然に溢れる涙さえも
冷めた体を温めるように
強くなる鼓動さえも

一つも失わないで
情けないと思われてもいい

誰かの声で傷付くことも
より強くなる手掛かりになる
か弱い糸もいつしか途切れない程に強く
揺るぎない塩基の鎖

遮るものがなくなったら 
貴方は何を想うんだろう
遮るものがなくなったら 
私は何を想うんだろう




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
一人旅で八丈島に行った際に作った曲。
車で島を一周したのだが、空と海以外に何もなかった。
その境界線すら曖昧で、自分の世界を形作る仕切りのようなものが
一切ないような感覚だった。
『遮るものがなくなったら 貴方は何を想うんだろう』
そう問われているような、問いたくなるような景色だった。
全てから開放されてしまったら、私は死んでしまうんじゃないか。
そんな風に思えて、改めて自分を縛るものの大切さが解かった気がした。
『エヴァンゲリオン』でいうところの『人類保管計画』さながら
人類は原始のスープになってひとつに溶け合ってしまえば寂しくはないだろう。
しかし、多少の寂しさを感じてでも、自分は自分でいたい。
死んでしまいたいと願う人がいるのなら、少しでもこの世界に留まって欲しい。
誰かのためを想って編んだマフラーが解けないように
何度も何度も最後の結び目を硬く結わく。
それでも解けないように、と小さな楔を打ち込む。
その楔は時に糸を切り裂き、バラバラに壊してしまうかも知れない。
しかし、そうでなければより強固に繋ぎとめることができるのだ。
楔とは分かつものであり、繋ぐものである。
厳しいと思っていた親の説教も、そういう意味での楔なのかもしれない。
ラストの大サビは結局ピアノソロにした。
歌詞を入れると私の言葉を押し付けてしまいそうなので。
『遮るものがなくなったら 貴方は何を想うんだろう』
そんな問いかけに対してじっくり考える時間に充てて欲しいとの願いを込めて。



夜色コットン


夜色に染めたらどんなにきれいだろう、と
溶けはじめて星のそだった綿菓子
本物の夜空にふわり浮かべてみたら
雲になって空の色を滲ませた

星の始まり 一粒の砂糖
宇宙のすみで集まった

散らばらないように手をつないで廻ったら
細く溶けて絡めとる銀河の渦

星の始まり 一粒の砂糖
宇宙のここにまたひとつ

やさしく触ったらしわしわと儚くて
すべてと同じ甘い味を味わう
私と同じ甘い味を味わう




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
縁日で買う綿菓子。
時間が経つと表面が次第に溶けてきてしまう。
ポツポツと小さな砂糖の粒が現れ、星座の様に浮かび上がる。
夜空色の綿菓子があればなお素敵だろう。
そもそも、綿菓子を考え出した人はすごいと思う。
熱して溶かした砂糖を高速回転させ細い糸のように吐き出す。
それが渦を巻き、やがて雲のように重なっていく。
それはまるでビッグバンから生まれ出た銀河のようではないか。




流星の針


この星を作ったのはきっと私に似た神様で
愛しい者創り過ぎて やがて放り捨てたんだ

手を離れたこの星は ほつれてでこぼこになって
ボロボロの世界だけど 私が拾ってあげるから

私が神様なら
あなたが悩んでいるこの世界の小さな綻びを
私は流星の金の針で直すことができたのに…

取れかけのシャツのボタン 直すだけの歯痒い今でも
せめて夢の中だけは そっと守ってあげたい

離れてはいけないこと わかってる だけど行かなくちゃ
今私にできること 世界を変えてあげるから

私が神様なら
あなたがつまずいてるこの世界の些細なしがらみを
私は柔らかい気圧の指で直すことができたのに…

目の前で慰める事 出来てもそれじゃ意味がない
声をあげて知らせなくちゃ
私のかすかな声でも

私が神様なら
あなたが悩んでいるこの世界の小さな綻びを
私は流星の様に伸びるまっすぐな歌声で
何かを繋ぎとめて 結びつけて あなたの苦しみを
私はこの見えない金の針で直すことができるのに…




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

2ndミニアルバム『人魚姫』収録曲。
流れ星が落ちるその軌跡を金の針に例えたタイトル。
目の前の誰かを助けるために、一体何をすべきなのだろう。
悲しみに共感して慰めることだけが正解ではない。
時には一度背を向けることになったとしても、
より高みに上り、根本的な問題解決に挑まなければならない。
そんな人を私はとても尊敬しているし、そうなりたいと想う。
私が家族との時間を犠牲にして歌を歌うことも
いつかその寂しさを上回る誇りになると信じて。




モンスター


あたしのなかに うずくまる
やみよりこわい なにかいる
こころのなかの はじのほう
みえないけれど ここにいる

ブラックホールみたいに全て飲み込んでしまう方が
どれだけ縮めても0にはならない けれど
言うなれば「消失」 触れる傍から消してゆく
何も残さずに 終わりも始まりも全部
それはまるで モンスター

あたしのなかに うずくまる
やみよりこわい なにかいる
はじめはとても ちいさくて
だれもがきづかないんだけど

あたしのなかに うずくまる
やみよりこわい なにかいる
どんどんおおきくなってきて
しらないうちにたべられる

世界で一番悲しい事が起きるよりも
無かった事にして忘れてしまうのが恐い
言うなれば「消失」 触れる傍から消してゆく
何も残さずに 終わりも始まりも全部
それはまるで モンスター

あたしのなかに うずくまる
やみよりこわい なにかいる
こころのなかの はじのほう
みえないけれど ここに




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stミニアルバム『きらきらぼし』収録曲。
ライブでは演奏しないCD音源のみの曲。
『忘却』がテーマであり、記憶がなくなっていくことへの
恐怖を描いた作品。




鏡面満月


今夜は満月。
程好く郊外の住宅地の夜は10時を回ると人の気配も少ない。
4月の風は暑がりな僕にとっては生温く、地元に残った彼女にはまだまだ冷たいものだろう。
だって彼女はいつもフリースのひざ掛けにくるまって、
ストーブの前の特等席で『寒い』を連呼していたのだから。
僕はそんないつもの景色を思い出しながら、借りたばかりのアパートに向かって歩く。
鋭角の曲がり角、カーブミラー越しに野良猫と目が合う。
猫は一瞬僕と視線を合わせると立ち止まり、すぐにまた気の向いた方へ歩いていく。
大きなカーブミラーの曲面は、もう一度見ると今度は僕の顔を少し歪ませて映した。
 
卒業と同時に告白なんてするんじゃなかった。
大学に入って4年越しの片思い。サークルで出会った小さくて妹みたいな子。
友達としての時間が長すぎて、中途半端なタイミングで言い出せなくなってしまった。
それでも想いが通じた時はこの世で一番嬉しかったし、
彼女もいつもより沢山笑ってくれたんだ。
それが1ヶ月も経たないうちにこんなに辛くなるなんてお互い思ってもみなかった。
新任早々地方へ転勤なんて笑えない冗談だと思った。
でも現実に僕は今、彼女のいない街を歩いている。
 
今の時代、やろうと思えば電話だってメールだって、
それこそ顔を見ながらの会話だっていつでも出来るのに、僕達はそれをしない。
彼女も地元で就職したばかり、僕自身も研修で忙しくて、連絡を取る時間を推し測ってしまっている。
毎朝、彼女からの短いメールに返事をして、夜家に着いた頃に僕からまたメールをする。
そんな文字列だけでお互いの状況が解るわけではないけれど、
離れている分、多すぎる情報は身を滅ぼすような気がして怖いんだ。
同僚の男に嫉妬したり、飲み会の回数に口を出したりする自分が容易に想像できてしまう。
 
アパートから5分程の場所で、わりと大きな橋を渡る。
川は幅広く、流れは緩やかで、今夜の満月が水面に映ってわずかに揺らぐ。
駅で買った缶コーヒーを開けて、橋の真ん中でそれを見つめた。
ポケットから携帯を取り出して、受信ホルダーの一番上を開く。
夕方、ふいに来た彼女からのメールの意味がよく分からず、返信に困っていたのだ。
 
『月が鏡だったらいいのにね』
 
基本的に理系の僕は、時々発せられる彼女の詩的な表現が何を意味するのか分からない。
月が鏡で出来ていたら、太陽光を反射しすぎて眩しくて迷惑なんじゃないか、
くらいのことしか思い浮かばない僕でも、そんな返答では彼女が納得しないことくらい理解している。
だから彼女の『なぞなぞ』を解こうと、こうやって月を見ながらぼんやりしているんだ。
彼女も夕方、この月を見ながらメールしてくれたのだろうか。
確かにこんなに遠い距離でも、こうやって同じものを眺めるっていうのはとてもロマンチックな感じがする。
でもそれなら別に、月はこのままでもいいんじゃないのか。
わざわざ鏡にしなくても、同じ月を見ていられるのに。
さっき通ってきた川沿いの道に、曲がり角で会った野良猫が歩いている。
さっきと同じように、月を見上げて立ち止まり、またすぐ気の向いた方へ歩いていく。
 
そうか、とコーヒーの最後の一口を飲みながら、ふとさっきのカーブミラーを思い出した。
月が大きなカーブミラーだったら、彼女が月を見つめれば僕と目が合うんだ。
肉眼で確認できないくらい小さいかもしれないけれど、確実に僕の視界に君の顔が映る。
望遠鏡じゃないと無理かも知れないけれど、今動いている僕が彼女の目に映る。
彼女はそれが言いたかったのだろう。
なんというか、それは電波に置き換えられた声や姿よりもはっきりと、
現実的に繋がっているように思えるのかもしれない。
太陽の光を跳ね返すほどに輝く月なのだから、
もしかしたら今だってぼんやりと僕が映っているのかもしれない。
 
そんな風に考えると、なんだか急に声が聴きたくなった。
電話してもいいかなんて考えず、メールもせずに彼女への着信ボタンを押す。
コールが3回、『もしもし』と君の声がする。
『すごーく小さいけど、月に映って君がよく見えてるよ。』
彼女は一瞬黙って、すぐに可笑しそうに笑ってみせた。
 
今夜は満月。
誰も気付かないうちに、沢山の人の視線が触れ合っているのだろう。



+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
曲というより朗読作品である。
短編小説の朗読とスイングジャズのBGMから成る。
初のフルアルバム、ということで箸休め的な位置付けとして取り入れたもの。
もちろんライブでは披露することは出来ないのでCD音源のみ。






おやすみスイッチ


蜘蛛の巣の様な座標の上をぐるぐると
今日も明日も明後日も渦巻きながら彷徨ってる
私はきっとウサギよりもやっかいで
嬉しくてもさみしくても度が過ぎたら死んじゃうみたい

だから いつも 深い眠りで
あたま からだ ちゃんとゼロに戻さないとね

おやすみスイッチは 私の体のどこかに
隠れてるから 探して押してよ
でもそれは君しか触れない
君しか探せないどこかに
隠れてるから 探して押してよ
今すぐに

そうよ それは 甘い 香りに紛れて
毎夜 変わる 不思議な 魔法のボタン

おやすみスイッチは 私の体のどこかに
隠れてるから 探して押してよ
でもそれは君しか触れない
君しか探せないどこかに
隠れてるから 探して押してよ
今すぐに この夜に




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
当時流行していたボーカロイドやPerfumeなど人の声を
人工的に聴かせる電子音楽に影響を受けて作った曲。
SEなども多く取り入れ、電子的な音を意識したほか、
ボーカルはビブラートを用いない直線的な管楽器のような歌唱スタイル。
蜘蛛の巣のような座標とはレーダーチャートのこと。
彼女の感情のレーダーチャートは毎日大きく変動する。
恋する女性とはそういうものだ。

こころ


こころってどこにあるの
こころってなにでできてるの
そんなことを一日中考えてた

誰だって持っていて
誰にも触れない
それは命の海に浮かぶ白い舟

ゆらゆら彷徨いながら
静かに目を凝らして
誰かと出逢えたなら
寄り添って先を目指す

時には嵐が来て
振り落とされてしまうけど
差し出されたその手を離さないで

こころってどこにあるの
こころってあたたかいの
それは命そのものの形だから
それはあなたそのものの全てだから




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++
2016年2月発表曲。
2016年は『心』をテーマに楽曲に取り組もうと思い、
最初に手がけた一曲。
極限までシンプルに洗練されたメロディーと
これまた極限までシンプルに削った詩。
『こころってどこにあるの』という子供っぽい問いかけ
とは裏腹に、哲学的な思考で『心とは何か』を模索している。
序盤では命=海、心=舟に喩えて生命の中にあるはっきりとした
形のある核の部分を『こころ』と唱えているが、
ラストではその海そのもの全てを『こころ』であると見つめ直す。
序盤での想いから終盤での想いに切り替わるまでには
長い永い航海の時間(長編ピアノソロ)があり、その中で
クライマックスも迎えつつ、全てを振り返った上でようやく
『こころは命そのものである』という境地に達するのだ。
舟は互いが近すぎるとぶつかって沈んでしまう。
また、遠すぎても方角を見失う。
寄り添いながらも同じ岸辺に辿り着こうとするには
相手への細やかな思いやりがなければ実現しないのだ。
苦蓬の星降る日の夜に


絶望と憎しみと
少しの悲しみを
歌うだけでは
あなたは耳を塞いでしまう

希望と優しさと
沢山の未来を
歌えるなら
誰もが耳を傾けてくれる

心だけは
無くすことができないもの
だからせめてやさしくありたい
この響きは
微かな音だけど
何かの支えになりますように

この世の苦しみを
生み出す悪魔が
いてくれたら
こんなに悲しくはないでしょう

この世の幸せを
与える天使が
いてくれたら
こんなに悲しくはないでしょう

想いだけで
何かを変えることなど
出来ないから希望を探してる
理由のない
不幸な出来事も
いつか真っ直ぐに向き合えるから

心だけは
無くすことができないもの
だからせめてやさしくありたい
この響きが
やがて大きな祷りになって
誰かの支えになりますように




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++
2016年2月発表曲。
東日本大震災直後、カワイ出版が打ち出した『歌おうNIPPONプロジェクト』。
そこで日本を元気付けるための新しい合唱曲を作って無償で配布する
という企画があり、縁あって詩で参加させていただいた。
その際、4編ほどのソネット(14行詩)を書き下ろし、ボツになって
眠っていたものに書き足しをして出来たのがこの曲だ。
当初、合唱で歌うことを前提にしていたので、序盤の14行は
少し抽象的な表現に留まっているが、後半ではやや強い言葉を
散りばめてアクセントにしている。
『ニガヨモギの星』というのは、新約聖書の最後、『ヨハネの黙示録』に登場する。
天使が7つのラッパを吹くと、世界は滅びるのだそうだ。
三つ目のラッパを吹くと、「ニガヨモギ」という名の大きな燃え盛る星が
空から落ちてきて、世界の3分の1の川が毒水となり、多くの人が死ぬ。
前奏の『きらきらぼし』のテーマが繰り返すごとにマイナーコードに
なっていく様は、願いをかけて祈っていた綺麗な星が災いへと豹変していく描写だ。
ニガヨモギはウクライナ語で『チェルノブイリ』(誤訳との説もあるが)なので
この黙示録の記述はチェルノブイリ原発事故の予言だったのではと言われることもある。
東日本大震災における福島原発の悲劇と黙示録の『ニガヨモギの星』とを
オーバーラップさせた内容の詩になっている。
新約聖書をベースに持ってきておきながら、二番では悪魔と天使の存在を
逆説的に否定しているあたりは、日本人の宗教観そのものが見え隠れしている。
『理由のない不幸な出来事』に直面した時、私達は一体心の中で何を想うのだろうか。

カッサンドラの憂鬱 


いつか必ず私を置いてくでしょう?
そんな未来が私には見えてるんだよ
いつかあなたは私じゃない人を
好きになるんでしょう?
それならば 一人にして

嫌な子だと思われるかな
それでも私は未来が欲しい
こんなことを知りたいんじゃない
あなたの呪いで壊れていく

今のあなたは私を愛してるの
わかってるんだよ わかってるから苦しいよ
せめて私の声が出ないように
喉を潰してくれたなら良かったのに

幸せな今よりも
20年先のあなたが欲しい
箱の中の猫はとっくに
蓋を開けなくたって死んでるんだよ

嫌な子でしょ あなたのせい
それでも私は未来が欲しい
あなたといられる未来だけが




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++
2016年3月発表曲。
ギリシャ神話をモチーフにして、『心』というテーマ上で手がけた作品。
トロイアの王女カッサンドラーはアポロンに愛され、
彼の恋人になる代わりに未来を予知する力を授かる。
しかし、その能力により、アポロンが自分を捨ててしまう未来を見てしまい、
彼の愛を拒んでしまう。
怒ったアポロンはカッサンドラーの予言を誰も信じなくなる呪いをかる。
そのために彼女は残酷な結末がわかっているのに、誰も耳を貸さないがために
トロイア戦争で自国が滅びてしまう未来を変えることが出来ずに苦悩の中死んでいく。
『誰にもこの気持ちをわかってもらえない』
昨今、『カサンドラ症候群』という症例が話題になることがある。
アスペルガー症候群の伴侶を持った配偶者は、コミュニケーションがうまくいかず、
わかってもらえないことから自信を失ってしまう。
また、世間的には問題なく見えるアスペルガーの伴侶への不満を口にしても、
人々から信じてもらえない。その葛藤から精神的、身体的苦痛が生じる。
そんな精神疾患をギリシャ神話になぞらえるところが、とても詩的で美しい。
浮気症の男はほとんどの場合次も浮気をする。
シュレーディンガーの猫の話のように、浮気をしているかしていないか
曖昧な状態なんて実際には存在しない。
ばれていない、証拠がない、などという水掛け論状態があったとしても、
猫はずーっと前の段階で死んでいるのだ。
蓋を開けた時が浮気の始まりでは、決してない。
されど、彼女はアポロンを愛している。
前奏部分は芸術・音楽の神アポロンが奏でる竪琴のテーマ。
彼の奏でる竪琴に酔いしれながらも、彼女は確定的な未来を予言する。
その言葉が誰の耳にも届かないとしても。



きらきらぼし


四角く切り取られた地面の中から
金色 光が溢れて見えてる
かさぶたみたいにそこから剥がせば
地球がめくれて宝石になる

この世で一番星はきっと離れない引力で
僕の一番近くにあるんだ ほら ここに

波打ち際から地平の先まで
点々なぞって切り目を入れてく
地球は元々エメラルドの石
飾りをつけたら錆びて朽ちてく

この世で一番光るきらきらぼしはトゲだらけ
遠い時間を転がり続けて球になる

金色 光が強い風に乗って
地球を包めば宝石になる

きらきらぼしのかけらは迷子になんてならなくて
きらきら光る穂先に 集まる 集まる 僕も同じ

この世で一番星はもう離れられない引力で
僕の一番近くにあるんだ ほら ここに




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stミニアルバム『きらきらぼし』のタイトル曲。
四角く切り取られた地面…区画された水田。
金色 光…収穫前の稲穂。
この世で一番星…私達の足元にある地球。
飾りをつけたら錆びて朽ちてく…高度な文明社会がいつか衰退することの暗喩。
群馬に向かう高速道路から見た風景はそれはそれは金色に輝いていて
その風景を何かの形で残そうと作った曲。


さくら恋


咲いてしまった 私の恋
散らないで 散らないで…

満開の花を想うからこそ
蕾を見て心が疼く
輪廻の様に毎年違う誰かの熱でひらく

咲き乱るその姿に憧れ
触れる先から白くひらく
連鎖の様に加速しながら鮮やかに深くしなる

最後の花びらを咲かせた瞬間に
すべてを失う、と風の中に儚い未来が見えた

あなたに会って 恋をして
綺麗な私 見せたかった
咲いてしまった 私の恋
あとは散るだけだと気付いたけど
戻れない

 満月が君を照らして白く浮かび上がる
 誰にも見えない真夜中に枝を手に取る
 ひとひら落ちていくたびに心は遠く離れていく

激しく吹く風にこのまま体ごと
さらって欲しいのに ここから1ミリさえも動けない

あなたに会って 恋をして
綺麗な私 見せたかっただけなの
咲いてしまった 私の恋
零れ落ちてく 焦るほど足早に

私はやっと 思い出した
実は結べても 芽など出てこない
咲いてしまった 私の恋
零れ落ちてく 散っていく 散っていく
散らないで 散らないで 散らないで…




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
ソメイヨシノをテーマに、その遺伝的な歪さを歌った曲。
ラバラバにはほとんどない全編マイナーコード進行。
ソメイヨシノは三倍体であり、遺伝子構成上、自家受粉は不可能であり
子孫を残すことは出来ない。
今あるソメイヨシノは全て同じ木から接木されたクローンである。
桜の花咲く季節はほんのわずかだ。
盛大に恋をして、咲き切った先にはすぐに終わりが来る。
そして実を結ぶことも許されず、毎年切ない想いを繰り返すのだ。



ささくれ


一人で食べる果物の味は びっくりするくらい素っ気無くて
そんなことで僕は初めて 君がいないことを感じたんだ
あれからもうかなり時が過ぎて 薄っぺらい涙も消えかけて
実感のない空っぽの僕 荒れていく手だけが本当の様に

冷やした器に彩られていた 気付かない程小さな君のやさしさ
グレープフルーツにナイフを入れる そんな愛で満たされていたのに

どうして僕らは会えずにいるのか
わからないけど これだけは言える
今でも 今でも 今でも
愛しているよ 忘れはしないよ

酸味が苦手な僕のために シロップに漬けたイチゴとキウイ
ささくれた手にしみないように オレンジは皮を剥いてくれてた
今になってようやく気が付いて あの時の自分に問い掛ける
どうしてずっと傍にいたのに 「ありがとう」を言えなかったんだろう

いつでも冷たく白い小さな手 もっと温めてやればよかった
今さらもう何も出来ないけど 遅すぎても気付いてよかった

前しか見えない大人になって
後ろをついてくる君を見ずに
ひたすら歩幅を進めて
振り返ったら はぐれてしまった

君の背中を思い出しながら 僕は自分の手でナイフを入れる
ささくれた手に苦く沁み込んで 君の痛みようやくわかった

今なら全てを取り戻せるのかと
想ってみても もう君はいない
何度も 何度も 何度も
後悔しても 何も変わらない
どうして僕らは会えずにいるのか
わからないけど これだけは言える
今でも 今でも 今でも
愛しているよ 忘れはしないよ




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

1stフルアルバム『片想いのクオリア』収録曲。
元は男性ボーカル用に書き下ろしたものをセルフカバーしたもの。
半分に切ったグレープフルーツを食べやすいようにナイフでひと房ごとに
切り離しておくような、細やかな心遣いに気が付かない男性。
後ろをついてくる女性を振り返ってしまい永遠に彼女を失う、というのは
世界各国の神話をオマージュしたもの。
日本のイザナギ・イザナミ、ギリシャ神話のオルフェウス・エウリディケなど。
なぜか男性人気ナンバーワンの曲。
さみしくなんかないよ


もし あたしが今日死んでも さみしくなんかないよ
急に無口になっちゃって ドキドキは止まるけど
目に見えないあたしのすべて 君の呼吸と一緒に
胸の奥吸い込んでもらって 二度とはなれなくなるから

いつの日か そんな時が必ずやってくるけど
こわがってはなれていかないで
永遠の幸せなんて もう少し後でもいいから

もし あたしが今日死んでも さみしくなんかないよ
赤いほっぺも冷めちゃって 急に美人に見えるけど
心にあるあたしのすべて 君の体にかさねて
ゆっくり溶けて沁みこんで 二度とはなれなくなるから

いつの日か そんな時が必ずやってくるけど
混ざりあった二人の来世
こんなにはっきりと見守れるから

もし あたしが今日死んでも さみしくなんかないよ
いつも以上に手も冷えて 体は動かないけど
目に見えないあたしのすべて 君の心の部屋に
無理矢理一緒に住みついて 二度とはなれなくなるから




+++++【ゆうのライナーノーツ】+++++

CD未収録曲。
『死』がテーマなので寂しい内容に思われがちだが、
幸せ絶頂の女性の想いを描いた作品。
今が幸せだからこそ、その先にある不幸が頭をよぎる。
失う辛さを味わうくらいなら、いっそ最初から手放してしまいたい。
そんな風に考える逃げ腰の男性を一蹴する曲。
混ざりあった二人の来世…遺伝子を分け合って出来た子供。


ゆう(作詞・作曲・ボーカル担当)
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8月11日生まれ・東京都八王子市出身

2歳からヤマハ音楽教室にてレッスンに通う
ピアノ嫌いで歌好きな子供に育つ

高校入学して、コーラス部に入部
以降3年間歌い続ける日々を送る
正しい発声方法を習い、独学だった歌唱法が修正される
合唱指揮を学び、楽曲の構成・効果的な演奏法を考えるようになる
詩を解釈するという概念に触れ、音楽の中の言葉の重要性を考えるようになる

高校卒業後、自分が代表を務める合唱団を設立
3年ほど続けるが、第二子出産後に解散する

その後しばらく音楽から遠ざかる

24歳から、自分の音楽をやるためにネット活動を開始
主に仮歌、コラボ曲の詞・歌などを手がける
徐々に作詞、作曲、DTMなどをすべて一人でこなすようになる

25歳で福生で活動している子供向けバンド『HAPPY SET』に加入
フロントメンバーとして主に幼稚園・保育園、福祉施設等でライブ活動をする

26歳のときソロ名義『Lovers in rubbersole』として活動を開始
第1弾のCD『きらきらぼし』の製作を始める
2009年10月にピアニストMIKIと出会い、サポートとして一緒にライブ活動を始める
2010年6月より二人組ユニットとして現在の形になる

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【作詩】
カワイ出版歌おうNIPPONプロジェクト
合唱曲
『そんなあなたが…』    吾妻優 名義で作詞担当

【ことば】
短編小説  yuu 名義で発表

『優しい貘』

『青天井システム』

『鏡面満月』

『白いひかり、白い珠』

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MIKI(ピアノ担当)
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7月19日生まれ・東京都八王子市出身

4歳よりYAMAHAにてピアノ・エレクトーンを習い始める。
CHOPINをはじめ様々なクラシック音楽を聴き影響を受け、真似をし始める。

8歳頃から作曲のまねごとを始める。
9歳・ピアノ演奏グレード6級取得。
10歳より石橋美恵子氏に師事。

中学2年生・YOSHIKIになると言い出し、バンドを組もうと試みるが失敗。吹奏楽部で我慢。トロンボーン、打楽器をたしなむ。

高校1年生よりバンド活動を始め、ドラム・キーボードで加入・ライブ活動をする。
CHOPIN、坂本龍一、YOSHIKI、久石譲、植松伸夫の影響を受け、今に至る。

昭和音楽大学短期大学部音楽科舞台スタッフコースを卒業。
21歳よりピアノ・ギターでの弾き語り活動を始める。

24歳・3ヶ月程海外に渡り、度胸をつける。浜辺で6時間ひたすらスピッツを耳コピしたのは良い思い出。
帰国後、自身のバンドを立ち上げ、活動するが2年ほどで解散。ピアノの修行に打ち込む。

修行の一貫としてLovers in rubbersoleの活動にサポートメンバーとして参加し、ゆうと意気投合。翌年正式メンバーとして活動をはじめる。

27歳・ピアノ、ピアノ弾き語り講師として委託業務に携わる。
様々なバンドへの参加、サポートをしながら活動中。